【刀剣乱舞】プチ小説「馴れ合いと引き合い その2」

主君の指示で畑当番を任されることになった燭台切光忠(しょくだいきりみつただ)と、大倶利伽羅(おおくりから)。晴天の空の元、水を張られた土手にひとつひとつ丁寧に苗を植えていく光忠。

 

「みんなー、元気に育って美味しくなるんだよー。」

「・・・なに独り言をぶつぶつ言ってるんだ。」

「ん?、大きく元気に成長するように、声をかけてあげるんだよ?」

「馬鹿馬鹿しい・・・植物が言葉を聞くわけがないだろ。」

「いや、それは違うな。心を込めて食材を育てるのと、作業的に育てるのとでは美味しさが違うんだよ?。主君の世界でも、音楽を聞かせることで植物が元気に育つって証明してくれたそうだしね。」

「ならば心で声をかけてくれ。正直うるさい。」

「実際に声をかけないと意味がないと思うんだけどなぁ・・・それより・・・君の植えた苗はどこにあるの?」

「???・・・っっ!!!」

 

大倶利が植えた苗は確かに畑の上に存在した。してはいるが・・・すべての苗が浮いたり倒れたりしていた。数はかなりの数を植えているが、そのほとんどが・・・。

 

「なぜだっ?!。お前と同じように植えているのに、どうして俺のは全部こうなんだ?!。」

「あぁあぁ、大きい声出したら苗がびっくりしちゃうよ?。僕も手伝うから、全部植え直そ?ね?」

「いらんっ!、俺だってお前みたいに上手く植えられるはず・・・そう、土だ!土が悪いんだ!!」

「うーん・・・確かに養分が低めに感じるけどね・・・」

「ほら見ろ、そうだと思ったんだ!。俺のせいじゃないぞ!。」

「うーん・・・でも、」

 

そう語りかけたとき、光忠は目の色を黒から金に変えて大倶利を見つめた。その形相はまさに鬼・・・大倶利は瞬時にそう感じた。どうやら光忠は・・・キレたらしい。

 

「ここにある土や水や苗はみんな主君がちゃんと手入れして、僕たちが使いやすいようにしているんだよね。それも知らずに土が悪いだの苗が悪いだの言っちゃうのはあんまり良くないんじゃないかな?。そもそも君、僕と同じ環境で苗を植えているはずなのに土が悪いってどういうことなのかな?。馴れ合いたくないとかなんとか言ってたけど、これって馴れ合いの問題じゃないんだよね。愛情を込めずに食べ物が食べられると思ったら大きな間違いだよ?。愛情を込めているからこそ美味しく感じるのであって、君は何を考えて━━━━━━━━」

 

光忠の説教は、このあと1時間続いた・・・。彼は怒らせてはいけないらしい・・・。

マダマダツヅクヨー(´・ω・`)

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