【刀剣乱舞】小説「創剣乱舞~永久ノ戦士~」 Part1
※こちらは長編の予定なので、不定期に更新していきます※
夢━━━━それは睡眠中あたかも現実の経験であるかのように感じる、一連の観念や心像のこと。それは心や脳に強く刻まれた映像や音が脳内映像となって見えている。その中でも、自我を夢に押し付け、気のままに夢を操ることが出来る“明晰夢”というものがある。俺はその明晰夢を見ることが得意だ。毎晩見る夢の世界で現れる人々に声をかけるというのは、とても面白い。
でも最近、ずっと同じ夢を見ている。それは明晰夢であったとしても、自分の声を相手に伝えることができない。むしろ、それが誰なのかを認識することができない。顔を見ようとするとぼんやり靄がかかったようにわからなくなる。服装は毎回違えど、みんな同じ言葉を放っている。
「我が主よ、我にあなた様のお力をお貸し下さいませ・・・仲間を守るため・・・時を守るため・・・」
その声を聞いて、いつも目が覚めてしまう。今朝もそうだ。結局声をかける暇・・・というより、体自身が言うことを聞かず、何もわからないまま時間が来てしまう。アラームという残酷な壁、これさえなければどうにか聞き出せるかもしれなかったのに・・・。ただ、明晰夢は深入りしすぎると一生目が覚めることがなくなってしまう可能性もある。
「・・・結局、俺は何も進歩していない・・・というわけか」
独り言をボソッとつぶやいた。その時、手の中で何かが光っていた。・・・寝る前になにか掴んだまま寝たのだろうか?。スマホは就寝2時間前にはやめるようにしてるし・・・。握っていた手を開くと、そこにはなぞのアイテムが姿を見せていた。
「これは・・・絵馬・・・?。それに・・・お守り?」
小さく可愛らしい絵馬とお守りを見つめながら、これがどこからやってきたものかを脳内でグルグル考える羽目になってしまった。
「・・・見つけましたコン。あのお方が・・・。」
刀を操り、妖魔を倒す唯一の主、そして戦士が生まれるまで、あともう少し・・・。
続く
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